光に応じて ~アジサイの花のように~

 今年は、例年よりも気温の上昇が著しく、場所によってはツツジとアジサイの花が同時に咲いているなど、何とも言えない調和を見ることができました。年長児と秋に収穫するためのおいもの苗つけに「ふれあい農園」に行った時の景色です。
 すがすがしい風をほほに感じながら、それぞれの子どもが4本ずつお芋の苗を持ち、農園の方の説明を聞いて土に植え込む作業を行いました。あらかじめ、農園の方々が子どもたちのために、ビニールで覆った畝(うね)に等間隔で穴をあけてくださっています。多くの子どもたちが、今年で三回目の苗つけになりますので、容易に苗つけを行うことができました。毎年のことながら、農園関係者の方々には、畑の管理や子どもたちが喜びそうな仕掛けをしてくださり、本当に頭が下がります。
 苗つけが終わった子どもたちは、畑のかたわらの空き地でバッタやカエルを捕まえたり、シロツメクサを摘んで花束にしたり、自然のなかで遊びに没頭しました。しばらくして昼食をとるために農園の小屋に入ったところ、先にトイレにきた三人の女の子たちがリラックスした様子で椅子に座って、足をバタバタさせながらおしゃべりを始めました。小屋の中のドアが風でひとりでに開く様子を見て、「あの陰には、おばけがいるよ」「いや、違う。ウサギがかくれてる」「先生、見てきて。こわーい」ときゃあきゃあはしゃぎながら想像を膨らませて会話をしている様子を、とても微笑ましく思いました。自然の中にあるゆったりとした時間の空間に、たくさんの会話の花が咲いていることをうれしく思います。
 まもなく梅雨に近づくと山門の釈迦像の脇にあるアジサイの花が、満開を迎えます。1年の間、太陽の力や風雨によってしっかりと根っこや茎が育ち、見事な葉っぱを茂らせています。アジサイは光に応じて花の色が変化して隣同士で1枚の葉っぱが仲良く共存共栄をしていきます。その様子が子どもたちの成長の姿と重なるように幼児教育に携わって邁進していきたいと思います。
【結城 由里子】(平成30年6月)

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